音楽と社会フォーラムのブログ

政治経済学・経済史学会の常設専門部会「音楽と社会フォーラム」の公式ブログです。

ゼミ生による報告に刺激を受けて

 すっかり蒸し暑くなってきました今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。マスクがきついです…とくに坂道をのぼる際…

 

 先日、自分が担当するゼミナールにおいて、4年生による卒業論文の中間報告を行いました。経済学部なのですが、筆者が本フォーラムの事務局を担当していることもあり、筆者のゼミは、音楽について、あるいは音楽と経済の関係について、深く学びたい、語り合いたいとする学生たちとの触れ合いの場にもなっています。

 

 筆者のゼミに所属する、ある学生の卒業論文は、日本における音楽業界、音楽産業の現状をテーマとするものでした。多くのことに目配りができている内容であり、まず感心したのですが、個人的にとくに興味を抱いたのが、オンラインを通じて行われる(有料の)ライブの話でした。

 

 オンラインでのライブ(の普及)は、コロナの影響の副産物といえるかもしれませんが、さまざまな理由(面倒だ、交通費および移動の時間がかかる等)でライブに足を運ぶことを躊躇していたみなさんには好都合のかたちなのかもしれない。まずこうした感想を持ちました。他方でコンピューターなどを通じた画像越しのライブが、現場で実際に体験するものと、どうしても差があるのでは、とも考えました。

 

 ただ、音楽を送り届ける側であるアーティストにとっては、(多くの)会場を借りなくてもよい、全国を回る必要が必ずしもない等、とりわけコストの面で好都合の点が(多く)あるともいえます。さらに学生からは、オンラインならではの演出もあるとの話を聞き、なるほどとうなづくことばかりでした。

 

 年齢を重ねた身としては、時間の経過に伴う音楽の楽しみかたのかたちの変遷を実感せずにはいられません。何よりそれを痛感した報告でした。気づきを与えてくれた報告を提供してくれたゼミ生に、まずは感謝したいと思います。そして、今後、音楽の楽しみかたのかたちはどうなるのだろう、と、全く意味のなさそうな思いを抱いたことも、ともあれ記しておきたい思います。

 

 前回と同様、あくまで中年男の独り言とお考えいただければ幸いでございます。