音楽と社会フォーラムのブログ

政治経済学・経済史学会の常設専門部会「音楽と社会フォーラム」の公式ブログです。

「アフターコロナ」元年の夏に向かう時期に

 早、汗ばむどころか、半袖が当たり前の日も出てきた5月の今日この頃、以下がお過ごしでしょうか。是非こまめな水分補給を、と願う次第です。

 

 さて、「ゴールデンウィーク明け」の5月8日、新型コロナウイルスの法的な位置づけがインフルエンザ等と同等の「5類」に移行しました。とは書いてみたものの、筆者には何がどう変化したのかわかりませんが…。こうした移行にもかかわらず、高齢者の方にはすでに6回目のワクチン接種の案内が届いているといいますし…。

 

 まあ、難しいことはともかく、昨年夏にはこの記事で紹介したように、プロ野球Jリーグ、甲子園での高校野球大会等のスポーツや音楽フェス等のような一か所に大人数が集まるイベントにおいては、大声で歌う、あるいは声援を送り等の「声出し」が禁止、あるいは制限される場合が多くみられました。一昨年に比して観客数の制限は緩和されたものの観客などのあいだでは、不満がみられた、あるいは感じられた場合も少なくなかったように思われます。

 

 今年はコロナ禍も落ち着き、例えばプロ野球においては開幕から「声出し」による応援が解禁となり、甲子園大会も、そして夏に本格化する音楽フェスも大声を出して楽しめる状況になりそうです! 

 

 ファンのみなさんにとっては、まさに待望の夏がやってきた、あるいは(本来の)夏が戻ってきたという感じになるのでしょうか。

 

 ただ、プロ野球に関するニュースを眺めていますと、「声出し」解禁に伴うヤジの「解禁」による弊害(といってよいのか)が散見されているようです。詳しくは以下の記事をご参照ください。

阪神、ファンに異例の注意喚起 ヤジや侮辱的な替え歌「絶対にお止め頂きますよう…」 | Full-Count

【オリックス】中嶋監督が解禁される声出し応援歓迎も「ヤジが聞こえるかなと思って、少し心配」 - プロ野球 : 日刊スポーツ

 上記の問題については非常に数多くの記事が存在します。今回の大きさを示すものといえそうですが、こうした状況をコロナ禍の前の時期が「戻ってきた」と捉えてよいか、わからないところです。

 

 ファン同士によるある程度の「ヤジ合戦」は少なくともコロナ禍の前には多く見られた光景であったような印象を持っていますが(あくまで私見です)、「声出し」による応援が可能となった今年から、NPB日本野球機構)が主導し、各球団も対策に乗り出したということです。この動きをコロナ禍前から変わったもの、とみるべきでしょうか。

プロ野球の球場観戦はどうあるべきか 阪神、中日の“異例のお願い”が示す意味(1/3)〈dot.〉 | AERA dot. (アエラドット)

 

 先日、学生たちと一緒に山中湖へゼミ合宿に出かけたのですが、湖畔はものすごい人出であり、激しい渋滞を含めタクシーの運転手さんもこんなに多くお越し下さるのはあまり記憶にないとおっしゃってました。コロナ禍の時期に抑えられていた思いが一気に溢れ出たような感覚を覚えました。はたして上記の問題もそれと同様に考えるべきなのでしょうか。こウした状況、「感覚」は、とりわけ旅や観光などについては顕著だと思うので適切な例かどうかはわかりません。

 

 個人的にも当然そうなのですが、いつの間にか多くの人々にとってコロナ禍の状況や「感覚」の一部が「当たり前」のようになっているのかもしれません。

 

 勝手な思いを綴りましたが、夏に本番を迎えるといえる音楽フェスでは、大多数の方々が、あの頃が戻ってきたと感じるのではないかと想像しております。その中で何か「変わった」ことやものが出てくるのでしょうか。暑い熱い夏に思いをはせながら、そんなことを考えた今日この頃です。