音楽と社会フォーラムのブログ

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ちょっとしたメタル話 その4 へヴィメタルとクラシック―トルコ行進曲編―

 関東でもまだまだ雪が残っております今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

 今回も前回に続き、音楽をめぐる雑談として「ちょっとしたメタル話」をさせていただこうと思います。前回から連続、4回目となります!
 

 意外と思う方もおられるかもしれませんが、ヘヴィ・メタルとクラシックの関係は、少なくとも前者から見た場合、かなり密なものであるといえます。クラシックの名曲の一部をヘヴィメタルの楽曲に取り入れた例は枚挙に暇がなく、その曲そのものをヘヴィメタル風にアレンジした「カバー」も数多く存在します。 今回は、ヘヴィメタルに限らず無数のアレンジが存在する、モーツァルトの“トルコ行進曲”を取り上げたいと思います。
 
 日本でも、安〇姉妹の名カバーで知られるこの曲、少なくとも2つのバンドが取り上げています(もっとあるかもしれません)。

 まず、“ジャーマンメタル”の代表格、ドイツ・ハイデンハイム出身のStormwitchの5作目「Eye of the Storm」(1989)(全盛期は本作まで)収録の“Rondo Ala Turca”です。ツインリードとアコースティックギターを絡めたアレンジが素晴らしく、ポップで聞きやすいバージョンとなっております。「初心者」の方にも安心してお勧めできます。是非ご一聴を。

 続いて、スウェーデンメロディックスピードメタルバンド、Dragonlandの記念すべきデビューアルバム「The Battle of the Ivory Plains」(2001)(名作)収録の“Rondo Ala Turca”。こちらは超高速のリズム(ツーバス連打!)になっており、わずか1分45秒、一気に駆け抜けます。ハードなギターがバッキングに徹しているところに特徴があり、あの有名なメロディはキラキラとしたキーボードが奏でています。こちらはかなりヘヴィなバージョンといえますが、やはりあのような前のめりのかろやかな原曲ですから、(〇田姉妹版も含め)いずれもどこか軽快な印象があります。


 今後もこうしたメタルによるクラシックのカバーを紹介していければと思っております。そういえば、ベートーヴェンの“トルコ行進曲”のカバーは聞いたことがありませんね。存在しそうではありますが…