音楽と社会フォーラムのブログ

政治経済学・経済史学会の常設専門部会「音楽と社会フォーラム」の公式ブログです。

第7回研究会が開催されました!

 暖かい日と寒い日がランダムに訪れております今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。音楽と社会フォーラム事務局です。
 今回は、2月9日、東京大学本郷キャンパスで開催されました第7回研究会について、事務局による参加記を綴らせていただこうと思います。

 春休み中ではありましたが、当日は13名もの方々にご参加いただきました(ありがとうございます!)。14時より20分ほどかけて恒例の自己紹介を行い、その最後にご報告者である立教大学の小林純さんの自己紹介を経まして、ご報告が始まりました。報告テーマは「ヴェーバー『音楽の社会学』の周辺」です。ご報告の前半部は、『音楽社会学』がいかなる状況のもとで著されたのか。この点についての非常に丹念な分析がなされました。当時のヴェーバーの置かれた状況、歩みを詳細にあとづけ、かつ彼の言説にみられる『音楽社会学』に至る「途」を掘り起こそうとする試みであったと考えます。基礎知識の少ない筆者も、お話をうかがうにつれ、なぜヴェーバーがこの本を書いたのか、その理由、背景を理解できたような気持ちになりました。後半部は、とりわけ日本におけるヴェーバーの「音楽論」の扱われ方を簡潔に整理され、それをふまえたうえでご自身の見解を表明されました。その後の議論のための材料を数多くご提示された内容と感じました。ご報告の詳しい内容は、後日このブログに掲載されます「要約」等をご参照いただきたく思いますが、周到に準備された大部にわたるレジュメを駆使し、ご報告のタイトルにありますように文字通り「ヴェーバー『音楽の音楽社会学』の周辺」について縦横に論じていただきました。その刺激的な内容は、研究会に参加されたみなさまの多くに、さまざまな形で強い印象を与えたのではないかと想像いたします。
 およそ1時間20分のご報告の後、15分ほどの休憩を挟み研究会は討論へとうつりました。まず冒頭に、松本彰さんから、以前なされた『音楽社会学』をテーマとしたご報告のレジュメ等、3種の資料をご提示いただき、それらについてご説明いただきました(ありがとうございます)。この松本さんの10分ほどのお話を口火に16時8分頃から討論が始まりました。その内容については割愛させていただきますが、印象に残った論点として、「音律(階)」に注目した理由・背景・意義、『音楽社会学』の「使い方」等があげられると考えます。筆者は音楽と社会フォーラムのすべての研究会に参加しておりますが、あくまで当研究会比ですが、もっとも激しいレベルの討論が展開したのではと印象をもちました。昨年より本フォーラムが進めてまいりました、音楽社会学の理論史の整理の集大成、トリにふさわしいご報告、研究会になったと個人的には思っております。無理を申し上げましてご報告をお引き受けいただいた小林純さん、ご参加いただきましたみなさま、本当にお疲れ様でした。

 研究会終了後、本フォーラムにおける今後の共同研究の計画について話し合われました。その概要については、すでにMLにお知らせしておりますが、ご意見等ございましたら、お気軽に事務局あるいは世話人までお寄せいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

 (勿論)今回も恒例の懇親会が行われました。大学春休み中の土曜日であるにもかかわらず、会場となりましたお店は大変混雑しており、かなり席をつめていただいた状態での懇親会となりました。ただし、この点がかえってご参加いただいた方々(研究会ご参加者のほぼすべての方々にご参加いただきました!)の間の距離を文字通り縮め、活発な「討論」を促したように見受けられました。いつも以上の盛り上がりを見せたと感じました。事実、研究会での激しい討論を経ていることもありますが、みなさん一次会で「出し切った」ようでありまして(いつも二次会に向かう筆者も同様でありました)、そのまま帰途につかれたようです。あらためて、お疲れ様でした!