音楽と社会フォーラムのブログ

政治経済学・経済史学会の常設専門部会「音楽と社会フォーラム」の公式ブログです。

第2回の研究会が開催されました

 9月にはいり少し暑さがやわらいできました今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。音楽と社会フォーラム事務局です。今回は8月6日に大東文化会館で開催されました、音楽と社会フォーラム第2回研究会についてご報告いたします。自分が報告者であったため些か書きにくかったこともありますが、私個人の諸事情によりブログでのご報告が遅れましたことをお詫びいたします。
 盛況であった第1回の研究会に続く会合であり、また8月のはじめという日程でしたので(テーマも含め)参加者が少ないのではと懸念しておりました。しかし非常にお暑い中、のべ14名の方にご参加いただきました。報告者として御礼申しあげます。初めてご出席いただいたメンバーも多くおられました。
 今回は、大変立派な会場での音と映像を交えた報告という、私にとっては初めての経験でありましたので、何かしらトラブルに直面するだろうとは想像しておりましたが、いきなり機材の問題が発生しました。その後、井上貴子フォーラム代表のご尽力で事なきを得、前回同様メンバーの自己紹介に続き、14時40分頃から報告が始まりました。
 報告タイトルは「アメリカにおけるヘヴィ・メタル市場の確立とその衰退」。2010年11月に政治経済学・経済学会秋季大会で企画された「音楽パネル」の延長線上に位置するお話をさせていただきました。ごく簡単に内容を紹介します。まず、はじめてヘヴィ・メタルに触れられる方(そして最初で最後になられる方)もおられると思いましたので、その概念の検討からはじめました。続いて、アメリカにおいてヘヴィ・メタルが商業的成功を収めていた時期、社会にしっかりと根付いていた時期があったことを可能な限り多様な角度から実証することを試みました。「音楽パネル」では、チャートのデータの分析が中心でしたが、今回は1980年代のアメリカ社会にヘヴィ・メタルが定着していたことを示す状況証拠として、①チャリティ、②ヘヴィ・メタルの「社会問題」化、③クリスチャン・メタルの台頭、④グラミー賞のあり方からみるヘヴィ・メタルの位置、について言及しました。その後、ヘヴィ・メタルを取り巻くイメージについて仮説を提示し、結びとさせていただきました。
 上記のお話をさせていただくなかで、多くの音と映像を提示させていただきましたが、どうしても時間が足らず、中途半端な形となってしまったと思います。また、パソコン、プロジェクター等を操作しながらの報告であったため、大半の時間、ステージ端の「調整卓」に座って報告をさせていただきました(失礼しました)。それゆえ、出席者のみなさんの反応がわからない場合が多く、(音も含め)お聞き苦しい点もあったかと思います。この場でお詫び申しあげます。なお当日のセットリストは省略いたしますが、披露させていただきました音源、映像についてご質問等がございます場合は、報告者までお気軽にお寄せください。
 音源、映像は用意した分の半分ほどしか披露できなかったのですが、1コーラス流すだけでもとにかく時間を要し、結局16時30分頃まで報告をさせていただきました。その後休憩を挟み、体育館ほどの広さのフロアの一部に集い討論を行いました。長い話と「激しい」音と映像により、さぞやお疲れであろうかと懸念しておりましたが、大変活発な討論であったと思います。詳しい内容は割愛しますが、「へヴィ・メタルとは何ぞや」という点が中心的な論点であったことは疑いないと思います。予定の時刻を過ぎても討論は続いておりましたが、片付けのため18時すぎに一度打ち切ることになりました。懇親会では、勿論「ヘヴィ・メタル談義」に花が咲きました(と思います)。
 今回の研究会を通じて、ヘヴィ・メタルがより身近な存在になったのか否か、これは出席者のみなさまのご判断に委ねるほかないように思います。報告者としては、本当に貴重で「楽しい」経験をさせていただきましたことに感謝いたします。まことにありがとうございました。暑いさなかの本当に「熱い」研究会であったように思っております。またの機会がありましたら(笑)、是非よろしくお願いいたします。

 さて、次回、第3回の研究会ですが、現時点では詳細は決定しておりません。世話人の方々はもとより、メンバーのみなさまからのご意見やご希望をお待ちしております。お気軽に事務局までお寄せいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。