音楽と社会フォーラムのブログ

政治経済学・経済史学会の常設専門部会「音楽と社会フォーラム」の公式ブログです。

第3回の研究会が開催されました!

 11月23日(水・祝)に東京大学において、音楽と社会フォーラムの第3回の研究会が開催されました。以下、事務局による「研究会参加記」を書き綴ってみたいと思います。

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 祝日ではありますが、週の真ん中である水曜日開催ということで、皆さんのご都合を心配しておりましたが、15名もの方々に参加していただきました。はじめて参加していただいた方々も多くおられました。まことにありがとうございます!
 14時過ぎより小野塚知二さんのご報告が始まりました。テーマは「大衆音楽の国際性と同時代性―国際化の二つの経路と第一次世界大戦―」です。第一次世界大戦前の時期を中心的な対象として、「ナショナル」な音楽が国境を越えてひろがっていく過程を、社会主義運動の国際化との関連から描いた非常にスケールの大きな、そして音楽と社会の関係を問うていく本フォーラムの(一つの)目的にぴったりと重ねる内容であったと考えます。多様な音源と画像、さらには楽譜、歌詞といった資料を駆使しつつお話を進めていただきましたので、深い予備知識がなくとも理解しやすかったことと同時に、聞くものたちが大いに楽しめるご報告であったと感じました。2時間を越えるご報告の後、参加者から多くのご質問、論点提起があり、リミットである18時まで活発な討論が展開しました。さまざまな論点が出されましたが、筆者の印象に残っているのは、グローバル・ミュージックとは何か(ありうるのか)、第一次大戦後における国際化との比較、音楽の国際化における「替え歌」の意義、「演歌」の起源等々です。ここで記したものはあくまで一例であり、提出された論点をみるだけでも、豊富な内容を含むご報告であったことがうかがえるのではないかと思います。筆者個人としては、ラ・マルセイエーズの激しい歌詞とその国際化の展開についてのお話をうかがい、歌詞とメロディの関係性について考えさせられました。本報告を起点とした議論は継続的になされるべきだと感じました。大変なご多忙の中、ご報告いただきました小野塚知二さん、参加していただきましたみなさま、本当にお疲れ様でした。
 研究会の後、恒例の懇親会があり、こちらにも多くの方々にご参加いただきました。祝日ということで「いつもの店」が休みであり、小雨のふる中、違う店に行くことになりました。私の不手際によりご迷惑をおかけしまして申し訳ありません。ただ、多様な論点を含むご報告の内容に加え、お料理のおいしさ(辛さ)により前回以上の盛り上がりをみせたのではないか、と勝手に思っております。懇親会におけるより深い討論も次回以降に引き継げればと思います。みなさま、夜遅くまでお疲れ様でした。